生活表について

 

 子どもを育てるのは、「預けっぱなしは駄目!」「任せて下さいも駄目!」と北田辺保育園では、50年にわたり子どもを真ん中におき、24時間の暮らしぶりが、どう育ちぶりにかかわってくるかを一緒になって考えていくため、保育記録ならぬ、その名も「生活表」と銘打って、保護者と保育者とが伝えあう連絡方法をとり続けています。

 初めて乳児第一号を預かるときに不安がいっぱいでした。そこでこの保育園なりに一から積あげていくしか方法はない。それには両親から大切な子どもをただ単に日中預かるだけではいけない。保育園の考え方や、やり方などを綿密に連絡する方法として、客観的な正しい判断の基礎になるものは、正確な記録をつけてみた上で、みんなで考え合って結論を出すしかない、ということでこの生活表はできあがったのです。

 生活表は、名の示す通りそのものとなり、保育園で保育しているあいだは、保育者が記入し、家庭では保護者が記入します。生活すなわち食事・睡眠・排泄の3つを基本としてその上に、泣いた・笑った・バイバイができたなどの情緒面の記録、這った・歯が生えた・歩き始めたなどの身体的な発達記録が記入されていくわけです。
 記入方法は、別表(乳児用生活表参照)の通り、○△×式の記号で簡単にし、時間をとらないですむようになっているので、慣れればどんなに忙しい共働きでもつけにくい言はなく、また1枚の紙で1日のようすがすっかりわかってしまい、昨日と今日の成長の違いを喜び、病気の危険からは早く対策がたてられ、保育の面では具体的なカリキュラムがこの生活表に表れたその子の個性の発見中から、また発達の段階をふまえたものが考えられることになります。
 子育てがスムーズにいかないのと同じように、伝え合いもいつもいつも意図するようにばかりいかず、生活表に書いたことでのトラブルもままあります。しかし、書き残されているからこそ、繰り返し伝え合い、あるいは話し合う中ではお互いに是正もされるのです。複数担任の保育者間の意志統一も、書き合い、読み合いする中で次第に学習し合えていることは確かですし、保護者もまた建てまえだけの育児ではなく、本音でかかわり、記録し、子育てそのものについて真剣にならざるを得ないのではないでしょうか。
 何しろ、生活表は、24時間、在園期間中ず〜っと記録され続けるのですから・・・・・

 

社会福祉法人 創の会

北田辺保育園

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